学園より
素敵な【読書の栞】を掲載いたします!
田園調布学園中等部・高等部では、図書委員生徒が毎年作成している、図書館報「読書の栞」(154号)の最新号が完成
しました。
読書や本をめぐる人々をとりあげて中等部1年~高等部2年の生徒が原稿を書き、表紙も70年ぶりにリニューアル。
高等部1年生がデザインしました。
p14.15には、精進同窓会・同窓生の記事が書かれています。是非ご一読くださいませ。
※p20.21(文豪ストレイドッグス)の記事は著作権の関係でHPには載せらせません。ご了承ください。
WFPへのご協力をお願い申しあげます。
祝・母校の教科横断型授業 最優秀賞を受賞
東京理科大学が主催する2022年度第1回理科・授業の達人大賞で、
母校・田園調布学園の入・長岡・山口先生が実践している教科横断型授業(物理×数学×地理)が
最優秀賞に選ばれました。
【内容について】
◆理科◆
<最優秀賞>
田園調布学園中等部・高等部 入 英樹 先生、長岡敬佑 先生、山口和弘 先生
題名:フェルマー点 ~物理・数学・地理・化学の視点で捉える~
単元:理科(物理) 剛体、力のつり合い
数学 三角形の合同条件、1次不等式、平面・空間ベクトル
地理歴史(地理) 世界を結ぶ交通・通信
理科(化学) 脂肪族炭化水素(分子構造)
【清水 豊校長より】
時代の流れに乗った派手なパフォーマンスの学校の人気が高いですが、地道に本質的なことを追求していくことが
教育にとっては大切だと思っています。今回の受賞は学校としてもとても喜ばしいことです。
ある夏休みの読書感想文
1995年9月16日 中3生(高校51回卒業生)対象に、兵藤五郎先生の学年朝礼時のお話より。
昨日の敬老の日は一日、君たちの書いた夏休みの読書感想文を読んでいました。実をいうと、今日国語科で優秀作の選考会があるので、あわてて読んだんです。
この前の校長先生のお話に出た星野富弘さん、肩から下が動かないという方、口を使って絵を書いたり詩を書いたりする人、その人の本を読んでそれが どれだけ大変なことか知るために自分でも試してみた人がいる。鉛筆にガーゼを巻いて口にくわえて、カタカナのアの字を書いてみたが、心のこもった美しい字が書けるのは大変なことだと実感していました。自分の体で本当に分かりたいという強い欲求があったのでしょう。読みながらずいぶん考えさせられました。
みんな成長しているのだなあとつくづく思いました。感じる力、考える力、表現力、自分を見つめる心が、これはほんの一例ですけれども、ぐんと深まっている印象を受けたのです。
普段の断片的な会話や教室でのやり取りではうかがい知れない、様々な心の葛藤や問題意識・経験を抱えていることがよく分かります。もちろん、いつもそういったことを抱えて毎日を過ごしているとは思いませんが、ある一つの作品との出会いが、ここまで考えさせるのか、ここまで考えることができるのか、という感慨を禁じることはできませんでした。
君たちの心の中に生じているドラマは、普段の様子からは私にはよく見えません。問題行動を起こせば別ですがね。こんなふうに率直に表現されて初めて気づくといった体たらくです。ずいぶん大人っぽいことをいうなと思う部分と、まだまだ幼いなと思う部分と入れ代わり立ち代わり見えるのが正直な私の感想ですが、さまざまな出会いによって生まれた新しい細胞が分裂を繰り返し、大きくなっていくような印象があります。その心の奥深く生じているドラマは、外部の人間にはなかなか見えにくいものです。こうして外部に、言葉として形に表されてはじめて理解されるものなんですね。目は心の窓などといいますが、目だけでは的外れな理解が多いのも現実です。
うちの娘の成績通知表の所見欄に、大人しく生真面目な生徒と書いてあったのを見て、思わず苦笑してしまいました。家では大声で姉妹げんかをしているのがしょっちゅうなのですから。また、自分でもそんなふうに書くことがあって、それ以来「教室ではとてもまじめで、穏やかで大人しい」と書くように気を付けるようになりました。私たちの洞察力、観察力もたかが知れています。目に見えるような言葉や行動に表れないと、気づかないのが普通です。関西への旅をしてきましたが、私たちは昔の人の作った仏像や建築、遺跡を見て、そこに昔の人々の感じ方、考え方、つまり心を感じるしかないのです。何もないところでは何も感じられないのです。
文化祭も今日を入れてあと1週間に迫ってきました。私たちがどんなことに興味をもち、何を調べ、何を感じたのかは形となって表れたもの、その姿・形を通してお客さまの心に訴えるしかないのです。もちろん、君たちの姿・形自身から、いろいろなことを読み取れるとは思うのですが、ほんとうに、あなた方の心の揺れ動きは、形や姿を通してしか伝わらないものなのです。
残り時間は少なくなってきました。クラブではずいぶん時間をかけて、その姿・形を磨く余裕もあったでしょうが、それでもやり残したことに追われるあせりもあるでしょう。クラス展示は相対的に時間は限られていますから、苦しいとは思いますが、私たちの立ち居振る舞いはもちろんのこと、私たちの心を形を通してお客さまが感じられるように、残り少ない時間を使って精一杯努力して作り上げたいものです。
2021年9月24日(金)掲載
2021年9月21日 西村弘子学園長宛てに、2014年3月に定年退職された兵藤五郎先生から、1995年9月の学年朝礼の際に 学年主任としてお話しになったメモを活字化してみたという、その内容を送ってくださいました。教師としての正直な思いの吐露であり、なでしこ祭・パラリンピック・コロナ禍の今、タイムリーでもある事より、許可をいただき、ここに 1993年卒業アルバムからお借りした写真 とともに掲載いたします。
学園長より 創立記念日の挨拶
精進同窓会の皆様、緊張が続く中いかがお過ごしでしょうか。
きょうは2020年6月5日、創立記念日です。現在は休日ですが、かつては教職員が打ちそろって苺とソラマメのお膳を囲んでお祝いしたと聞いては、この季節の旬を味わいながらのつましくも心豊かな学園の雰囲気を感じたものです。同時期に創立の調布幼稚園の庭に今年も先生方が丹精のソラマメが実りました。
1995年から25年間務めた校長職を退任し、新たに学園長として建学の精神を継承し、学園各校の発展に微力を尽くすことになりました。私自身は卒業生でないことに引け目を感じていましたが、校長を卒業したことで皆様との距離が縮まったような気がいたします。そして、いつも「捨我精進」に元気づけられてきたからにはご恩返ししたいとも思うのです。
漸く6月1日に、すでに入学している中等部新入生を迎える会を行い、全生徒の時差・分散による登校も始まりました。また、5月末には、72回生に学年担任から例年通りに、卒業記念写真や名簿等を送り、そこに、私も、やむなく取りやめた卒業面談に代わる生徒のスピーチ原稿にコメントを付けたものを同封しました。こうして年度末から年度初めの諸事が一区切りついたかとの思いからご挨拶をしたためている次第です。
私が本校に勤めたころ、卒業学年の担任は生徒一人一人の成長過程を校長に説明する時をもっていました。生徒との距離が近いからこうして送り出すことができるのだと感銘を受けたものです。そして、校長になったとき、中1の時に礼法の授業で接している生徒たちの成長を確かめ、本校の教育を見つめたいと考え面談を始めたことでした。10名程度のグループの中で改まった面持ちで話す内容と姿とが、同席している友達にとっても心に響くものであったために、「みんなに話すつもりで話して」と促したものです。自分を語る経験が未知の世界へと踏み出す時に活きるはずと密かに期待してきました。
これから私たちは否応なく新しい生活を創り出すことになり、学校もまた新たな工夫と創造に挑戦していきます。人がつながってこその学校が、たとえ離れていても人間らしい営みを通してつながるように、そしてさらには、皆様の後に続く人たちが、多様な生き方ができるように知性と理性と感性をつなぐ取り組みを側面から援助してまいります。
皆様には尚一層お大切にお過ごしください。お目にかかれる日を楽しみにしております。
2020年6月5日 調布学園 学園長 西村 弘子
清水 校長 挨拶
2020年4月に、校長に就任いたしました。90年を超える伝統のある学校の校長としての重責を感じると同時に、より良い学校にしていくという決意をもって日々の教育活動にあたっていきます。
私は、2016年の4月に田園調布学園中等部・高等部に教頭として着任いたしました。東京の公立中学校で教員生活を初め、その後神奈川県の私立男子校で25年間英語を教えて、最後の4年間は教頭をしておりました。そして、ご縁があって2016年にこちらにまいりました。この年は精進同窓会発足85周年の年で、ホテル椿山荘東京で盛大な会が催されたことを、つい昨日の出来事のように覚えております。
男子校から女子校に移り、「今の社会で生きて行くためには、女子には男子よりも中学・高校時代に生き方をしっかりと考えさせなくてはいけない」と痛感いたしました。男子校時代には気づかなかったことに多く気づき、女子校の意義を感じております。
時代の変化とともに社会からの要請を受け、教育は変わっていきます。技術もどんどん進歩していて、新型コロナウィルス感染症の広がりのために3月2日から休校にしていますが、この間も授業を動画で撮影して生徒に配信したり、教員と生徒が双方向でやり取りができるソフトを使って授業の一部をライブで行ったりしております。
しかし、どんなに時代が変化して教育が変わっていっても、「教育は何のためにあるのか」という本質は変わらず、この本質を見失わずに生徒に向き合っていきたいと思っています。建学の精神「捨我精進」は時代の波に翻弄されることのない普遍的な力を持っています。生徒たちが、この建学の精神を実行できるようになるよう教職員がより一層力を合わせて行きます。同窓会の皆様には、学校の応援団として一緒に学校を支えていっていただけると幸いです。
新型コロナウィルス感染症のために、4月に同窓会総会が実施できません。緊急事態宣言が出され、皆さんも不安の中で生活をしていらっしゃると思いますが、どうぞお体には気をつけてお過ごしください。今後ともよろしくお願いいたします。
2020年4月16日 田園調布学園 中等部・高等部 校長 清水 豊